PART10 通勤災害
今回のブログのテーマは・・・『通勤災害②』です。
PART10では、前回ご紹介できなかった通勤途中での
「逸脱」、「中断」と通勤災害の実例についてご紹介できればと思います。
では、まず通勤中の「逸脱」、「中断」とは何でしょうか??
逸脱とは、通勤途中において就業、通勤に関連性がない目的で、
「合理的な経路を外れること」をいい、
中断とは、通勤の経路上において、通勤とは「関係のない行為を
行うこと」をいいます。
では、ここで様々な疑問が生じると思います。
「腹痛で駅のトイレにいったときは逸脱にあたるの?」
「会社から家の間にあるスーパーで買い物して帰ったときはどうなるの?」
こういったことについては、事案ごとに判断はされますが、
ざっくりと以下のように判断されます。
<逸脱・中断とは扱われないもの>
・通勤経路近くの公衆トイレを使用する場合
・経路上の駅構内で飲料を購入し立ち飲みする場合
・帰路途中にある近くの公園で短時間休憩する場合
また、逸脱や中断をした場合であっても、日常生活上必要な行為を
やむを得ない事由によって最小限度で行う場合には、
「逸脱、中断の間を除き」、元の経路にもどった場合は通勤となります。
<日常生活上必要と認められる行為>
・スーパー等にて、日用品の購入その他これに準ずる行為
・職業訓練等を受ける場合
・病院等にて診療、治療を受ける場合
・要介護状態で、同居しておりかつ扶養している家族の介護をする場合
(継続的に行われているものに限る)
分かっていただけたでしょうか?
簡潔にまとめると、通勤経路上に行う小さなことについては
逸脱、中断したことにはならず、大きく経路を外れても
日常生活に必要な行為で、元の経路にもどれば通勤と認められるということです。
では、ここからは通勤災害の実例についてご紹介したいと思います。
実例①
自身のバイクで通勤している途中に、道路にて横転し、
数か所の骨折等により医療機関にかかった。
実例②
電車にて通勤している者が、自宅から徒歩で駅へ向かっている際、
側溝に足をとられ転倒し、足首を骨折したことにより休業した場合。
実例③
職員寮で生活している者が、月に4~5回実家での食事のため
実家に帰り、次の日に実家から通勤し、通勤途中に事故にあった。
実例④
自家用車で通勤している者が、帰路の途中でガソリンスタンドにて
給油を行うため、経路を外れその途中に事故にあった場合。
これらの事例は、実際に通勤災害として認められたものです。
通勤途中に起こったことにより、休業を余儀なくされる可能性は
誰にでもあり、これはたとえ自宅から就業場所まで近くても遠くても
起こりえます。
先にもご説明したとおり、明確にこれは通勤災害と断定できることは
難しいですが、その時は社会保険労務士に相談してみてください(=゚ω゚)ノ
では、PART11にてお会いしましょう♪
今回も見ていただき、ありがとうございました(^^)