PART8 業務遂行性と起因性
今回のブログのテーマは・・・労災に関する『業務遂行性と起因性』です。
難しく言われても分からないですよね(*_*;
この業務遂行性と起因性については、実例を出してご説明をした方が
分かりやすいので、実例中心でご紹介していきます♪
ではまず、「業務遂行性」とは何か??
ざっくりいってしまえば、労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下に
ある状態をいいます。
つまり、事業主の指示に従って行動しているかということです。
次に、「業務起因性」とは、ケガや病気が業務に起因して生じたもので
あるかということです。
これは、業務と傷病等との間に相当因果関係が存在することが必要となります。
これらをまとめると、事業主の指示のもと働いているときに、
ケガや病気が起こることが要件だということです。
これらを踏まえて、ここからは実例をあげて労災にあたるか否か
考えていきましょう。
実例①<起こりやすい業務災害>
工場内にて、木材を丸刃カッターにてカットする作業をしていた
従業員が、不注意で指をカッターで切ってしまった場合。
→これは労災の申請がされる事案の中では多い部類であり、
業務中のケガということで、労災にあたります。
実例②<作業の中断>
トラックにて荷物を運搬する業務に就いている従業員が、
荷物を積み込んでいる最中、風で帽子が飛んでしまったので、
作業を中断し、これを拾おうとした際に他のトラックと接触し負傷した場合。
→一見、業務行為ではないので、労災にあたらないと思われますが、
これが私的な行為でなければ業務に付随する行為として、
作業から離脱したものとはみなされず、労災にあたる可能性が高いです。
実例③<後始末>
建設業にあたる従業員が、一通り業務を終えタイムカードを打刻後、
機械や器具を元あった場所にもどしている際、倒れてきた脚立に
足がはさまり骨折した。
→これもタイムカードの打刻をしてはいますが、その後の片付けは
業務との関連性が高く、一般的に考え業務に必要な行為であると
解されるので、労災にあたる可能性が高いです。
実例④<出張中>
商社に勤める従業員が、商談のため出張をし、
出張先の宿泊施設での入浴中に足が滑り額を切った場合。
→例えば出張中の移動時に事故が起きた場合などは、
労災にあたるようなイメージがあります。
では、入浴中はどうなるのか?
基本的に出張中は出張の過程全般について、事業主の
支配下にあるといえます。
ということで、私的な行為等例外を除き、食事や入浴などについても
業務行為と判断され、労災にあたる可能性が高いのですΣ( ̄□ ̄|||)
なんとなく分かっていただけたでしょうか?
基本的には労働者にきちんと補償をするための制度ですので、
上記の実例を見ていると、業務中のことであれば、よほどのことが
なければ労災認定となるのですね。
世の中の様々な実例をみていると、こんな事例でも労災になるんだと
驚きます(^^)オドロキー
従業員の方も業務上ケガや病気をした際は、労災にあたるのか
悩みどころだと思いますが、そんな時は事業主の方に相談するのが良いでしょう。
もし、何か気がかりなことがあり、事業主に相談しにくいと
思われるなら、社会保険労務士に相談してみるのもひとつでしょう。
しばらく弊所はお盆休みに入ります♪♪
次回PART9まで期間は空きますが、お盆明けにまた会いましょう。