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PART6 有給休暇

本日のブログのテーマは・・・『有給休暇』です。
 
皆さん有給休暇というものをご存知でしょうか??
名称くらいは聞いたことがあるという方が大半だと思います。
有給休暇とは、通常の休日とは違い、休みながらも賃金が
発生するもののことです。
ヾ(@⌒ー⌒@)ノ仕事休める上に、お給料も出るなんてラッキー♪
 
これは労働者の健康で文化的な生活のために、有給でありながら
休息を保障するために設けられた制度なのです。
では、どういった人に有給休暇が付与されるのか、
具体的にはどれくらいの日数が付与されるのかみていきましょう。
 
まず有給休暇は入社してすぐにもらえるものではありません。
有給休暇が付与される要件として、
「原則、6ヶ月継続的に勤務した労働者」に対し付与されます。
その上で、「全労働日の8割以上出勤すること」が要件となっております。
有給は労働者の権利であれども、付与されるには日々きちんと
出勤をしておくことが大切だということです。
また、パートやアルバイトといった労働時間、週所定労働日数が少ない方でも、
上記の要件を満たせば、有給を付与されます。
ただし、この場合付与される日数は減少します。
実際に何日付与されるかは下記の表をご参照ください。
 

 
②の表については、あくまで労働日数に応じて付与日数が決定され、
1日あたりの労働時間の長短には左右されませんので、ご注意ください。
 
次に事業主が疑問に感じる、「全労働日の8割以上出勤すること」とは
どういうことなのでしょうか。
例えば、毎月出勤日数が20日の会社に入社し、6ヶ月間継続勤務をした場合、
通常の従業員なら10日有給休暇が付与されます。
これが付与されるためには、20日/月×6ヶ月=120日(全労働日)中、
8割以上の96日以上出勤しなければならないということです。
また、下記のものは例外で全労働日として含めないものとなります。
・所定休日(休日労働しても含めない)
・使用者側の責めに帰すべき事由による休業日
・天災事変などの不可抗力による休業日
 
反対に、下記のような場合は出勤したものとしてみなします。
・業務上の傷病により療養のため休業した期間
・育児・介護休業法の規定による育児・介護休業をした期間
・産前産後の女性が休業した期間
・年次有給休暇を取得した日
 
 
最後に、有給休暇の年5日の取得義務についてご説明します。
企業側は2019年4月1日以降、従業員に年5日の有給休暇を
取得させなければならない義務が発生しました。
この背景には、ブ〇ック企業や過〇死が多発していたことが
問題となったため、法令によって従業員がより良く働ける環境を
作る意図があります。
また、有給休暇があるにもかかわらず、取得しない従業員が
多くいたことも問題となったようです。
 
ここで「従業員に年5日の有給休暇を取らせるのは分かったけど、
いつからいつまでに取らせないといけないの??」
こういった疑問を抱く事業主の方は多くいます。
年5日の有給休暇の取得義務は、原則有給が付与されてから1年以内と
なっています。
例を挙げると、2024/6/1に入社した者は、
6ヶ月が経過した12/1に10日の有給休暇が付与されます。
この場合、付与された2024/12/1から2025/11/30の1年間で、
最低5日の有給休暇を取らなければいけないということです。
また、もうひとつ注意点として、この年5日の有給取得義務がある
従業員とは、年10日以上の有給休暇が付与された従業員となります。
これは正社員に限らず、パートやアルバイトも該当すれば対象者になることを
意味しています。
 
 
さて、ここまで長くお話ししてしまいました(;^ω^)
有給休暇についても、まだまだご説明しきれないことがありますが、
事業主の方や労働者の方に知っていただきたい基本的なことは
ご説明できたと思います。
有給は労働者にとっての「権利」です。
権利である以上、原則、労働者の意思によって取得させなければ
いけないものです。
しかし、未だ有給の使用を制限していたり、取りづらい環境が
あることは事実です。
有給を取らせないと罰則がありますが、罰則があるからでなく、
何より働く人の権利ですので、それを「守る」という意識をもって
いただけると幸いです。
 
社会保険労務士事務所として、
有給の適正な取得と使用がされることを祈りますm(__)m
 
では、PART7をお楽しみに~