年次有給休暇の時季指定
今回も年次有給休暇の付与義務について記していきます。
前回のブログの続編です。
年間10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、
そのうちの5日分について付与後1年以内に時季を指定して年次有給休暇を
与えなければならないことは、前回のブログでも記載しました。
これまで労働者が積極的に年次有給休暇を取得していたのであれば、
これまで通り、労働者が取得したいタイミングで年次有給休暇を
取得し続けることで、5日分の付与義務を果たせるのではないかと考えます。
しかし、これまで年次有給休暇の取得があまりなされていなかった
事業所では、5日分についての取得がなされたのかどうかを把握して、
取得されていない場合には、取得してもらうよう促していく必要があります。
その際、労働者に対して、いつ年次有給休暇を取得するのか
その時季について、労働者の意見を聴かなければならず、
聴取した意見を尊重するように努めなければならないともされています。
現実的な対応としては、事業所の方で、労働者ごとの年次有給休暇の取得状況を
しっかりと把握し、定期的に面談の機会を設けることで、意見を聴く機会を
作っていくのが良いのではないかと考えます。
また、定期的に面談が出来れば、それに越したことはないですが、
面談の時間がなかなか取れないような場合には、
年10日の年次有給休暇を取得した基準日から半年経過した時期で、
まだ5日分の年次有給休暇が取得されていない労働者と面談の機会を設け、
意見を聴取すると良いのではないかと考えます。
逆に、年10日の年次有給休暇を取得したときに時季指定をすると
労働者にとっても1年先の予定はなかなか立てづらいものですし、
指定した日よりも前に、労働者が指定した日と違う日に年次有給休暇を
取得することも考えられますので、
基準日から半年経過した時期に面談を設定する方が、
労働者が年次有給休暇を取得したいタイミングで取ることが容易になると思われます。
使用者・労働者ともに働きやすい環境になって、
生産性が向上し、結果的に売り上げも上がって相乗効果を発揮するのが、
働き方改革を進める意義でもありますので、それぞれの会社にあった
やり方を模索していくサポートができればと思います。
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